効果が上がるポスティングのデザインは?
昔ながらのオーソドックスな宣伝方法として知られるチラシや折り込み広告ですが、反応率(配布物を見て実際に商品を見たり購入した人の割合)は配布物のデザインや内容によって大きく異なります。
0.1%ほどにとどまることもあれば4%を超えるという驚愕の高さを誇る場合もあり、いかに内容やセンスが重要か分かるでしょう。
通常のイラストなどと違い、デザイナーや高名なイラストレーターなどは必要ありません。
では反応をより良くし、効果を高めるためにはチラシや折り込み広告などにどのような工夫をこらせばよいのでしょうか。
抑えておくべきは地域の特性や住民の性質
広告やチラシに限らず、広告物全般を作る際に考えなければいけないのは、誰を対象とした広告なのかという点です。
ですから、今回の場合は配る対象である人達、つまり商圏を理解する必要があります。
商圏というのは配布する地域や人の特性や性質のことで、商圏への理解を深めれば、それだけ対象の心を動かすキーワードやキャッチコピー、さらにはデザインも自ずと見えてくるでしょう。
ではどのようにして商圏を知るかといえば、最もシンプルで効果的なのはその土地を実際に歩いて自分の目で見ながら情報を集めることです。
特にスーパーなどは地域性が出やすいですし、駅やショッピングモールなどを訪れるのも良いでしょう。
どのような商品が安売りされているのか、商品の品ぞろえや客層なども参考になりますし、駅の掲示物やキャンペーン告知のチラシなどからもたくさんの情報が見てとれます。
また、周辺の幹線道路や乗り入れ路線などを調べてデータを割り出してみたり、世帯数・人口数といった統計データも参考になるでしょう。
こうしたデータはインターネットなどでも簡単に知れますし、集めるのにはそれほど時間がかからないはずです。
しかも同じ路線でも駅がひとつ違えば住民の層は大きく変わりますし、同じ駅の西側・東側で世帯平均年齢に大きな差がでることも珍しくありません。
目で見ているだけではわからないデータもあれば、実際に訪れなければ分からない情報もありますから、双方をバランスよく知り、ポスティングに活かしていくという姿勢が求められます。
キャッチーなデザインとわかりやすさをミックスして
次に実際のデザインですが、やはり見やすいというのはどのような場合にも守らなければいけない点です。
単色刷り・二色刷り(印刷するインクの色が1色あるいは2色のもの)は印刷時の単価が安い一方で、フルカラーのものと比べるとやや見にくくなってしまうのが難点。
だからこそ、情報を詰め込みすぎずに、会場地図を掲載したり、割引クーポンを印字するなどして魅力を高める必要があります。
文字を小さくせずに、特に目玉となっている情報や商品を売り出す形のほうが向いていると言えるでしょう。
逆にフルカラーで印刷できるのなら、写真やイラストなどを掲載してよりイメージをもたせやすくします。
旬の製品や数が限定されている商品など、数多くの情報を並べるのも良いでしょう。
逆に芸術的な内容にして目を引くという方法もあります。
マンションや不動産などによく使われる手法で、キャッチコピーと美麗な写真で眼を引くというのが作戦ですから、プロのデザイナーと相談しながら作ったほうがよりその効果を高められるでしょう。
できれば止めておきたいNGデザインとは?
逆にあまり望まれないデザインとはどのようなものでしょうか。
よく例としてあげられるのは、ポスターやパンフレットなどで利用されていたものをチラシや折り込み広告などにも転用しているパターンです。
制作コストをカットできる一方で、チラシや広告の目的に沿った内容ではないため、メッセージがわかりにくく反響が得られないというケースはよくあります。
コストカットのためにカラー印刷ではないチラシを作ってしまい、反応率が下がってしまうというのもよくある話です。
カラーでなければ良さがわからない洋服、また情報が多く単色刷りでは見にくくなってしまう求人チラシなどが当てはまるでしょう。
逆に、イベントなどの開催情報や進展オープン記念などの情報を伝える場合にはカラー・白黒どちらでも良い場合があります。
予算はもちろんですが、「店の場所がわかりにくいから大きく地図を入れるので単色」といったように目的をはっきりさせないと、予算が多くかかったり、目的が曖昧で集客が見込めないといった事態につながるので注意しましょう。
単純なように見えて奥が深いポスティングの世界ですが、トライアンドエラーを繰り返すことでその効果を高めていけるのも事実です。
地域によって、また業種によって正解がないからこそ、研究熱心な人や様々な方法を試せる人が結果を残せるのです。
向上心がある人や創意工夫できる人であれば、広告やチラシの中身やデザインを精査し、より顧客に響くものを作ることもできるでしょう。
オーソドックスな方法ではありますが、使う人によってその効果をいくらでも高められるのも事実ですから、自分の力や技量を試すという意味でもチャレンジしてみて損はないのではないでしょうか。